不倫の慰謝料相場は数十万~300万円だと言われていますが、実は明確に基準が設けられているわけではなく、不倫が原因で離婚するのかしないのか、別居するのかしないのかによって大きく変動します。
また婚姻期間の長短や不倫の内容、子ども有無や経済的な事情などで変わってきます。ここで浮気・不倫による慰謝料の金額がどのように変動していくのか確認していきましょう。

婚姻期間・・・ 被害者(浮気された方)の心情の配慮や離婚後の再スタートが困難になりやすいという理由から、婚姻期間が長いことは増額要素とされています。

浮気発覚前の状況・・・浮気の発覚以前、家庭生活は円満だったか、崩壊寸前だったかという事実によって左右されます。もし、浮気が発覚する以前から家庭生活が崩壊寸前であった場合、慰謝料は減額される傾向にあります。

自分自身の落ち度・・・夫(妻)が浮気をするようになった落ち度が自分自身にある場合(過去に浮気をしていた等)は、慰謝料は減額される傾向にあります。

浮気相手の認識・・浮気相手が、夫(妻)が既婚者だと知っていたか否かです。たとえば、相手が既婚者と知りながら家庭を壊すつもりで浮気をしていた場合、行為が悪質であると判断され、増額となる場合があります。

浮気の期間・・浮気の期間が10年以上など長期間にわたる場合は、慰謝料の増額要素とされています。

不貞関係解消の約束・・・以前も浮気をしており、二度としないと約束を交わしていたにもかかわらず、再び浮気をした場合です。このような場合、悪質と判断されるため、慰謝料が増額となる場合があります。

浮気相手との子供・・・夫(妻)と浮気相手との間に子どもができた場合、極めて大きなショックをもたらします。そのため、夫(妻)と浮気相手との間で妊娠が発覚したことは、増額要素とされています。

夫婦間の子供・・・夫婦間に子どもがいる場合は、婚姻関係破綻による影響が大きく、また、精神的な損害も大きいことが通常であるため、増額となる場合があります。

精神的苦痛・・・うつ病になるなど、浮気によって大きな精神的損害が発生した場合、それを裏付ける証拠(診断書など)があると、増額となる場合があります。

浮気相手の謝罪・・・浮気相手が真摯に謝罪していたり、社会的制裁(退職など)を受けていたりする場合は、慰謝料が減額される場合があります。

裁判をしない場合高額になる傾向がある

裁判をせずに相手方との話し合いで解決する場合は、この目安通りになるとも限らず、もし話し合いの中で問題の深刻性が高かった場合は、相場以上になるケースもありますし、逆に早期解決や精神的損害が少ないと判断されれば、相場以下の慰謝料額になることもあります。

そのため、別居も離婚もしないのに100万円を超える時もあれば、離婚をしても50万円程度に収まる場合もあるということです。もっと言えば、慰謝料の額が決まらずに離婚した場合は、不倫慰謝料がゼロ円になる可能性も考えられます。