別居中の浮気は不貞行為になる?別居の経緯による違いや慰謝料請求について解説

2023.10.30

別居中の浮気は不貞行為になる?別居の経緯による違いや慰謝料請求について解説

夫婦であっても別居中というパターンも多いのではないでしょうか。

一緒に住んでいないからこそ心の距離ができ、浮気に発展してしまうことも少なくありません。そんな別居中に浮気をした場合、慰謝料請求を免れることがあるのかどうか、気になっている方もいるかもしれません。

 

この記事では別居に至った経緯によって異なる対応の違いや、浮気を証明する方法について紹介します。

別居中の浮気は場合によって対応が異なる

結婚している夫婦が別居しなければならなくなる原因はさまざまあります。一緒に生活することが前提となっている結婚生活であっても、お互いの仕事や家族の都合や、価値観の違いや不仲などを理由に「離婚せずに別居」という選択をとる夫婦は存在します。そういった別居中に浮気をした場合と、一緒に生活している場合とでは、慰謝料の請求額は変わるのでしょうか。

ケース別に、どう変わるのかを解説します。

単身赴任などの婚姻関係の破綻に関係ないもの

仕事の転勤などが別居の理由である場合、「もともと別居前から夫婦関係が破綻していた」とは考えられず、浮気した、つまり異性と肉体関係を持った場合は立派な「不貞行為」となります。

共働きが増えてきた現代社会において、夫婦どちらかの転勤に合わせて引っ越しをせず「単身赴任を選択する」ということも増えているでしょう。子どもの学校や親の介護などで、簡単に家族総出で引っ越せない事情もあるかもしれません。 国内だけでなく海外で単身赴任した場合、なかなか家族に会えずに寂しい思いをすることもあるでしょう。仕事が多忙だったり、時差のある国への赴任などでは、頻繁に連絡が取れずに家族としてのコミュニケーションも希薄になることも考えられます。

このような別居中に、ささいなパートナーへの不満や出来心で「浮気の魔が差してしまう」可能性はあるでしょう。 しかしこのような場合の別居は夫婦関係がすでに破綻していたとは認められず、浮気(肉体関係があるもの)は不貞行為となり、慰謝料や離婚請求されてしまう可能性が高いのです。なかには「単身赴任歴が10年以上」というような別居が前提になっていたり、単身赴任が当たり前になっている夫婦関係の方もいるかもしれませんが、仕事の都合上の別居であって夫婦関係が破綻しているとも証明できません。

浮気は立派な不貞行為となります。

夫婦喧嘩などの一時的なもの

夫婦喧嘩などが原因となり、一時的に「少し冷静になるために距離を置こう」などと言って別居中である場合も、明らかに「夫婦関係が破綻していた」とは考えられずに「不貞行為」とみなされる可能性が高いです。

少し喧嘩や言い合いをしたストレスを浮気で発散してしまうと、浮気がバレた際に慰謝料や離婚請求されることもあります。 そもそも「距離を置こう」という名目で別居しただけで、もともと別居前から浮気していた場合も考えられますし、疑われてしまう可能性も高いです。

もしパートナーが仕事の転勤など明確な理由もないのに別居を提案してきたら、浮気を疑ってみてもいいかもしれません。実際に「別居を提案されたと思ったらどんどん離婚話に発展し、半年後にパートナーが再婚していた」という事例もあります。

浮気の証拠がバレる前に別居の事実を作り、慰謝料請求なく円満に離婚するための下準備になっている可能性もあります。

夫婦喧嘩などの一時的な別居をする際には、別居以外に方法はないのか再構築に向けて話し合ってみることが得策でしょう。

すでに婚姻関係が破綻したあとの浮気

子どもへの影響や金銭的な理由から、夫婦関係が破綻しているにも関わらず、「今は離婚はせずに別居をしている」という夫婦も存在しています。

こういった場合のように将来的にいつか離婚することが前提となっていたり、別居期間があまりにも長い場合などは、浮気をしても慰謝料請求されない可能性もあります。

離婚前提の別居中は「別居前から夫婦関係が破綻していた」と考えられるためです。

 

しかし別居前にどちらかの浮気があったことが発覚した場合、その浮気によって夫婦関係が破綻したとも考えられます。

不貞行為による「損害賠償請求権」、つまり「慰謝料請求」の時効期間は、原則3年とされています。被害者は配偶者の浮気が発覚してから、3年以内に損害賠償請求をしなければなりません。

しかし不貞行為そのものから3年が経過していたとしても、その期間「浮気されていたのを知らなかった」という場合は時効にはなりません。そのため過去の浮気が今になって発覚した場合でも、慰謝料請求できる可能性があります。

 

不貞行為の除斥期間は20年となります。除斥期間とは、その権利を行使しない場合の権利の存続期間をいいます。

例えば配偶者の浮気に当時気がついておらず3年以上経過していたとしても、不貞行為から20年以内ならば過去の浮気について慰謝料請求ができるということです。

つまり不貞行為から20年を経過しているものについては、慰謝料請求は難しいでしょう。

浮気で慰謝料請求する場合

慰謝料や離婚を請求する場合やそれにかかる裁判では、民法第770条にある「不貞行為」が使われます。

不貞行為とは「自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を結ぶこと」を意味します。どちらか一方でも結婚していれば不倫となり、二人とも結婚している場合は「ダブル不倫」などとも呼ばれます。

「浮気」は婚姻関係がない恋人同士でも使われますが、婚姻関係や明らかに婚約している場合でないと慰謝料請求はできません。

浮気の確実な証拠を集める

浮気の一般的な定義とは、肉体関係つまり性行為を伴うものです。

そのため男女が二人で会ってデートをすることや、キスや抱き合っているだけの関係であれば浮気とは言えません。

浮気の確実な証拠となるのは、浮気相手との間に肉体関係があることを証明するものでないといけません。決定的な証拠がなくても、浮気をした本人が浮気行為を認めた場合はそれが証拠になることもあります。

しかし本人が肉体関係を認めていない場合には、言い逃れできないようにする証拠が必要です。 もし慰謝料請求や離婚調停に利用する場合には、肉体関係を証明できる確実な証拠を用意しましょう。

男女二人で一定時間一緒に過ごしている証明

肉体関係を示す証拠として別居中のパートナーや浮気相手の自宅、ラブホテルなどに一定時間2人で一緒に過ごしていることが分かる写真や動画があげられます。

一緒にホテルに入っているだけでなく、一緒に出るところがわかるものであればより信憑性が増します。利用した日時がわかる領収書なども効果的です。

性行為自体が目的ではないビジネスホテルやシティホテルでは浮気の証明としては不十分になりますが、頻繁に一緒に利用していることがわかったり、自宅近くでわざわざ泊まる必要のない距離にあるホテルを利用しているなど、客観的に見ても肉体関係があったと推測できる場合は、ほかのメッセージのやりとりなどと一緒に証拠となるでしょう。

浮気中の動画や写真

浮気中の動画や写真も誰が映っているのか鮮明なものであれば、浮気の証拠となります。

スマホやPCなどに保存されているデータを入手する必要がありますが、別居中であれば警戒心も薄れ、そのまま保存されていることもあるかもしれません。

妊娠や中絶の記録

別居中の浮気が原因で妊娠したり、その結果中絶をした場合の記録も浮気の証拠となります。メッセージのやりとりで「あなたの子どもを妊娠してしまった」「中絶費用について話し合おう」など、妊娠や中絶に関するものがあった場合も証拠として強いものとなります。

探偵事務所などの調査報告書

物理的に遠くに住んでいる場合など、別居中はパートナーの行動を近くで調査するのが難しいかもしれません。

そんな際には探偵事務所など、浮気調査を専門とする機関をに依頼する方法もあります。

探偵事務所などの調査報告書は浮気の証拠として、客観的に見ても強いものとなります。話し合いや公式の調停、裁判などで慰謝料請求や離婚請求を確実にする場合、自分で集めた証拠で進めるよりも有利となる可能性が高いです。

別居中のパートナーの言動に怪しさを感じたら冷静に行動を観察し、浮気の可能性が高いと判断した場合に探偵事務所に相談する方が多いようです。

「別居中の浮気、こうやってバレた」エピソード

別居中に浮気をする人は意外と多いかもしれません。

距離があるほか、不貞行為を察する言動に気づきにくいというのもあります。どういった際に別居中の浮気が発覚するのか、エピソードを紹介します。

妻の抜き打ち訪問でバレた

札幌に妻子を残して東京で単身赴任しているユウスケさん(47歳)は、付き合って1年になる独身のアキさん(32歳)と半同棲生活となっています。

単身赴任の自宅から徒歩2分の所にアキさん用の少し広い部屋を一緒に借りて生活のベースをアキさんの自宅に移し、1か月に1度だけ週末に札幌に帰る日々を送っています。

ある土曜の朝、「お母さんが朝イチの飛行機で東京に行ったよ」と娘からLINEが。その日はたまたま、アキさんがユウスケさんの単身赴任用のアパートに泊まっていた日で、LINEをみて急いでアキさんに身支度を整えさせ、逃げるようにアキさんは部屋を出ます。それから20分もたたないうちに妻のヨウコさん(47歳)が到着。さっきまで部屋に女性がいた雰囲気や匂いを敏感に察知し、ベッドの上に残された長い髪を見つけます。

ヨウコさんはその場では問い詰めず、浮気の確信を得たため探偵事務所に調査を依頼。近くのアキさん用のアパートも浮気調査で判明し、ユウスケさんにアキさんと別れることを求めて夫婦としての再構築を目指していくことになりました。

3歳児の証言でバレた

愛知県に住むリョウタさん(27歳)と妻のユカリさん(28歳)はユカリさんの実家の近くでマイホームを手に入れて両親のサポートを受けながら3歳の娘を育児中です。

1年間限定でリョウタさんは九州の関連会社に出向することになりました。娘の幼稚園を転園させたくない理由で、リョウタさんだけ九州に単身赴任することとなります。

しかしユカリさんはリョウタさんが帰ってこない週末や平日、両親に娘を預けて元カレのジュンペイさん(28歳)と不倫関係にありました。

実家によく寄っていることをリョウタさんは知っていましたが、娘だけではなくユカリさんも一緒にいるものだと思っていました。

ある日、娘に「ママと寝るのとパパと寝るのどっちがいい?」とたわいない問いをしたところ、「ばあばと寝るのが楽しい」と発言したことに違和感を覚えます。「ママがばあばの家でいないことあるの?」と問うと、「ママお仕事だからいないよ」と証言します。 ユカリさんは娘や両親には「友達のお店を手伝っている」と理由をつけて、実は浮気相手と逢瀬を重ねていたのでした。

リョウタさんはその場でユカリさんのスマホを見せるように要求し、やりとりから浮気の事実がバレます。その後ユカリさんが謝罪し、ジュンペイさんとの関係も解消して再構築することにしました。このように夫の単身赴任中に妻が浮気をしている例も大いにありえます。

別居中の浮気はよくある話!証拠をみつけて早めに対応を

別居中に不貞行為に及ぶ可能性は、お互いに寂しさを感じやすかったり「バレないだろう」という過信から、大いに高いと考えられます。別居中の浮気であっても、別居前にすでに夫婦関係が破綻していると証明できなければ慰謝料も離婚も請求される可能性はあります。

別居中の浮気を食い止めるには、お互いのコミュニケーションをおろそかにしないことや、あまり野放しにしないことも有効でしょう。浮気の疑いがあるならば早めに証拠を見つけて、再構築するのか離婚に向けて話し合うのか、現実から目を背けずに対応していくことをおすすめします。

【お問い合わせはこちら】

https://suzuran-tantei.com/contact/

この記事の監修者

すずらん探偵事務所代表 永山克⺒

静岡市を中心に浮気調査・素行調査を行うすずらん探偵事務所の代表。行政書士でもありながら、警察並びに国家公務員としても20余年勤務。豊富な知識と経験を活かして、夫婦問題などでお悩みの方々の力になるべく日々精進している。

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